人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Macんち日記

bmacd.exblog.jp
ブログトップ
2010年 11月 14日

せつない話し2

母が倒れ意識をなくして一週間、容態が急変したと連絡を貰い、病院に駆けつけた時、
既に母の亡がらは実家に戻り、兄が病院で私を一人待っていてくれた。
                 *                          
「私が作った芋煮食べにきてよ」春先病院の同室でお友達に成ったKさんに先日会った時、
「近くまで来てるのね、すぐ行く!」そう言うと、間もなく坂道を駆け足で走って降りてくる。
「元気だった?」そう言い私を抱きしめる、私は躊躇しながらKさんの背中に手を添えた。
抱擁はちょっと苦手、そこには何時も恥ずかしく、切ない私がいる。 
それでも、容赦なく優しい暖かい物が、私の身体に伝わってくるのだ。

8年前の事、体調壊して入院、野球をしばらく休んでいた。
久しぶりにグランドに行った時「よかった、よかった!」って、C先生に肩を抱かれた。
休んでいた間心配なさってた事、本当によかったの、優しいC先生の思いがどんどん流れこむ、
言葉ではないコミニケーション、胸が詰まる思い、嬉しい、ありがとう。
                  *                            
病院で一人待っていてくれた兄が、母が戻った実家に、私を連れて行ってくれた。 

実家では母の亡がらの前に父が立っていた、父の三歩後に私がいる、頼りない父の後ろ姿、
「おとうさん・・・」声をかけると、少し身体が傾いて、後にいる私の方に振り向き・・・・・
「こんなんなっちゃったよ・・・」と、母に視線を落す、産まれて初めて見る父の涙だった。
そして、頼りない父の姿だ、左手には硬く手ぬぐいが握りしめられている。

ああっ!しかしこの時、振り向いた父に写った私は、更に父より頼りなく・・・
おそらく、情け無い、困り果てた表情をしていたのだろう。
父はすぐに母の方に向きを変え、私に見せた後ろ姿は、私の知っている何時もの父に戻っていた。

どうして、抱きしめてあげなかったんだろう、どうして、悲しみを共有出来なかったんだろう。
父にとって、たったひとりの娘なのに・・・・・

私を抱きしめてくれる人に出会う時、その暖かさに、何時もあの日の事を思うのでした。

by b_macd | 2010-11-14 23:08 | ♪思う事 


<< おばあちゃん家      僕の誕生日 >>